TV番組紹介 「 Eテレ、100分de名著 」

 この番組のことは知っていましたが、視たことはありませんでした.福祉関係の会合で会ったかたから教えていただきました.私は、有名な精神科医というとマスコミから斎藤環さんくらいしか知らず、中井久夫氏については初め知りました.番組の一回目は終了してしまいましたが、ミニダイジェストを付けます.

NHK・Eテレ 100分de名著

12月は中井久夫スぺシヤル

【はじめに】中井久夫氏は、統合失調症治療、研究者として大学教授、名誉教授を経て、今年8月88歳で亡くなりました.

番組解説・精神科医斎藤環氏

 第1回「心の生ぶ毛」を守り育てる ~「最終講義」~
     12月5日(月)午後10時25分~50分
     「最終講義」からの内容.統合失調症の回復期に表れる治癒力と、社会との折り合いの
      付け方の問題は、病者、健康な人の違いにかかわらず、この世界で生きてゆくための
      本質に繋がっている.

 第2回「病」は能力である ~「分裂病と人類」~
     12月12日(月)午後10時25分~10時50分
     再放送 (NHKプラス・ものしりバライエティー では終了までいつでも視聴可)
     12月19日(月)午後1時5分~1時30分

 第3回 多層的な文化が「病」を包む ~「治療文化論」~
     12月19日(月)午後10時25分~10時50分

 第4回 精神科医が読み解く「昭和」と「戦争」 
    ~「『昭和』を送る」「戦争と平和 ある観察」~

     12月26日(月)午後10時25分~10時50分

   

【感じた事】中井氏は京大医学部卒後、東京大学、名古屋市立大学、神戸大学教授、甲南大学教授と眩しいような教職の道をあゆみましたが、肺炎にて介護施設でご逝去、その後、瑞宝中紋章の叙勲を受けています.最後までわれわれ庶民に寄り添った生涯を願っていたことと思い感慨深いです.中井氏を知り、考えたことが3つあります.
1:このように病者の本質について語られた優れた論文がありながら、なぜ、病院では虐待が起こり、また長期に病院に留めおく治療が主となってきたのか.
2:相対して、氏の、疾患に対する深い洞察が、現代の精神医療をよりよくする活動の基礎となっているであろう.
3:精神医学は分子生物学はじめ脳科学の重要な研究対象になっているが、近著から氏の考えをさがしてみたい.他にも考えるべきことは沢山ですが、力不足で今回はここまでです.番組指南の斎藤氏の解説を楽しみにしています.   anzu

 番組で取り上げられた本